今年5月にこちらの作品、松田真希 作の 漆絵「緑の岩場(垂水の滝)」がありがたいご縁を頂き、イタリアに旅立ちました。
私たちは2023年2月に越境ECモール ZenPlusに出店し、最初に海外に旅立った作品がこちらとなりました。
私たちのZenPlusのショップはこちら ↓
【Urushi Art SEIGAIHA】https://zenmarket.jp/s/urushi_art_seigaiha
こちらの作品はサイズがP50号(額装込みだと120×84×6 ㎝)と結構大きく、そういった大きなサイズのものをZenPlusを通して海外に販売・発送した体験談をこちらにまとめてみたいと思います。
※前提として、今回はお客様からSNSを通してお問い合わせがあり、ZenPlusを通して販売させて頂いたという流れです。通常出品者はお客様の情報を知ることはありませんが、今回はお客様と連絡がとれる状態だったということを予めご了承ください。
ZenPlusとZenMarketの違い
ZenPlusはZenGroupが運営する越境ECモールです。
ZenMarketも同じくZenGroupのサービスですが、ZenMarketは、ZenPlusに加えてAmazonや楽天、メルカリなど、日本の複数のショッピングサイトから商品を購入し、まとめて海外に送ってもらうことができるサービスです。
ZenMarketの概要はこちら ↓
こちらの動画もわかりやすいと思います ↓
ZenPlusを利用した海外販売の流れ
ここからは出品者サイドからの話となりますが、出品者の販売、発送の流れはこのような感じです ↓
出品者サイドとしては、ZenPlusのサイトに商品を登録し、商品が売れたら大阪にあるZenPlusの倉庫に送るだけで海外のお客様へ販売ができます。
海外発送に必要なインボイスなどの詳しい知識がなくてもZenPlusがすべて代行してくれますし、梱包もZenPlusの倉庫で海外発送に適した梱包にし直してくれるとのこと。
お支払いに関しても、出品者はZenPlusに商品を購入してもらい、ZenPlusが海外のお客様に商品を販売するという流れなので、出品者としてはとてもやりとりがスムーズです。
サイズが小さめの商品や、低価格の商品の場合はこの流れで特に問題はないと思うのですが、今回私が経験してみて、サイズが大きいもの、価格が高いものは少々難しい点があると思いました。それを次から書いていきます。
ZenPlusで海外発送できるサイズ・重量の最大値
通常こちらは購入者の方が行うもののようですが、もしお客様からお問合せがあった場合、ZenPlusで送れるサイズ、重量はこちらの国際送料シュミレーターで調べることができます。
こちらが今回の作品について2023年8月27日に実際に入力してみた画面です。
送れるサイズはこのように表示されます。
今回記事を書いて気が付きましたが、私が発送したときとDHLのサイズの計算方法が変わっています!シュミレーションした2023年4月の時点ではDHLの計算方法はUPSと同じでした。
私が発送した時点ではUPSと同じ計算方法だったので、入力した数値を見て頂くとわかるように、長さ+外周が361㎝となります。送れる最大サイズは長さ+外周が400㎝以下で、ZenPlusで発送する場合、ZenPlusの倉庫でさらに梱包がプラスされる可能性があるため、かなり最大値に近い数値です。
どのくらい梱包が追加されるのかわからず、サイズオーバーで送れなかったらどうしようとハラハラしました。
重量はどちらも50㎏まで。
DHLの最大サイズの計算方法が変わったようですが、私がシュミレーションした4月時点ではキャンバスサイズでいうと50号くらいが送れる最大サイズくらいかなと思いました。
※ちなみに本日2023年8月30日に、輪島の商工会議所でZenPlusの社員さんを招いた講習会があり、質問してみたところ、ここに入力する数値は商品または化粧箱がある場合はそのサイズを入力すればよいとのことでした。(梱包の段ボールは含まなくてよい)
ZenPlusの倉庫で海外向けの梱包にしたあと、最終的なサイズが決まり、お客様に国際送料がお知らせされるので、このシュミレーションはあくまで目安という感じなのかなと思います。
また、Zenplusは倉庫で梱包を海外発送向けに強化してくださるとのことですが、用いる素材は段ボールとプチプチシートだけだそうなので、私は自分で3層の強化段ボールと、丸のサイズが大きいプチプチシート使って梱包しました。
強化段ボールはそれだけで重さが8㎏もあり、国際送料にも影響する可能性があると思ったので、その強化段ボールを含んだサイズと重量で国際送料をシュミレーションしてお客様にお伝えしました。(ZenPlusで梱包が追加される可能性があるのであくまでも目安です、とした上で)
大きな荷物の国内発送について
ZenPlusで購入をして頂いたら、商品を大阪にあるZenPlusの倉庫に発送します。
私はその際、佐川急便の飛脚ラージサイズ宅配便を利用しました。
サイズは3辺合計260㎝以内、重量は50㎏まで送ることができます。
事前に連絡をすることで保険つきの送り状を持って、自宅に集荷に来てくれました。
保険についてはこちら ↓
国内発送においても、今回送ったサイズは【133×100×14 ㎝ 】でしたので、三辺合計247㎝で、これも送れるサイズの最大値に近いです。
海外発送の保険の問題
本来これはZenPlus出品者は考えなくてもよいことなのですが、高額なものになると気になりますよね。
先ほどの講習会で伺った話によると、ZenPlusのサービスは購入者の個人輸入にあたり、日本を出たあとは購入者個人の責任が大きいといえるサービスです。
購入者自身が配送方法も選択するので、保険が付く配送方法なのかをご自身で確認、判断して選択して頂くというのがZenPlusを利用する上での基本的な考え方のようです。
先ほどのDHLのサイズの計算方法が変わっていたように、こちらも変更が多いことのようなのでその都度確認が必要だと思いますが、今年4月時点でZenPlusのお問合せ窓口で聞いた時は(大きいサイズのものだと配送方法がUPSかDHLの2択なのでその2つに絞った場合)
・UPSを選択して補償されるのは11000円まで。それ以上は11000円ごとに130円の追加料金でインボイス上の商品価格まで補償されるが、ZenPlusでは50万円以上の商品にしか適応されない。
・DHLはZenPlusではDHLを選択した時点でインボイス上の商品価格まで補償される保険が自動的につく。
とのことでした。なので、その都度確認が必要だとは思いますが、現状11000円以上の大型商品で保険をつけたい場合はDHLを選択する必要があります。
今回私はお客様と連絡がとれる状態だったので、DHLを選択して頂くようご連絡しましたが、もしZenMarketのモールから購入された場合はお客様がどの配送方法を選択されるかわからないので、難しいなと思います。
まとめ
以上、ZenPlusで大型の絵画作品を海外発送した際に気づいたことをまとめてみました。
ポイントは
・大きな絵画、平面作品の場合、送れるサイズの最大値は大まかな目安で言うとキャンバスサイズ50号くらいである
・ZenPlusで作品代金全額を補償する保険をつけたい場合は配送方法でDHLを選択してもらう必要がある
・サイズの計算方法や保険の内容など、海外発送においては色々と日々変更があるようなので、その都度確認が必要
・越境ECは購入者の個人輸入にあたり、お客様サイドの責任が大きいサービスである
ということだと思います。
私のような海外発送の経験が浅い者でも無事に作品をイタリアにお届けすることができたので、出品者にとってはZenPlusのサービスはとてもありがたく、便利なのですが、その反面お客様の方の負担は大きめなのかなという印象がありました。
海外販売・発送についてはまだまだ勉強の余地がありますので、今後も漆芸作品の海外販売の方法については色々と模索してきたいと思います。